誤解してもらっては困るのだが、ここでは、アイランドキッチンが空間的におもしろいとか、それがいい悪いということを論じているのではない。不動産会社として、一つの新しい生活スタイルを提案しようという姿勢が好ましいといっているのである。カウンターキッチンにも、まさに多くの不動産会社の姿勢が端的に表れている。オープンを望む人にも、クローズドを望む人にも気に入ってもらいたい。あらゆるお客様の希望に対応したい。すべてのお客様の購入意欲をそそりたい。そのためには、つねにどちらともとれる態度で対応する。そこにあるのは「どっちつかず」という方針なのだ。こういうスタイルで使ってほしい、こういうかたちで料理を楽しんでほしい、というように新しい住まい方を積極的に提案する意欲など感じられない。あるのは、上目づかいで客の様子をうかがいながら、できるだけ多くの人に媚びを売りたい、という姿勢なのである。