新三菱重工業は、分割以前からの車体生産やスクーター生産を引き続きすすめていった。スクーターでは、1958年にシェアの52・6%を占めている。新三菱重工業が大きな役割をはたしたのはジープの国産化である。ジープは、第2次世界大戦中、アメリカ陸軍が使用した小型4輪駆動車の総称であるが、戦後、日本でも産業界や官庁からジープの多用途性が注目され、1950(昭和25)年には創設された警察予備隊(その後の自衛隊)がアメリカ占領軍供与のジープを装備するようになっていた。新三菱重工業は、そうしたジープの重要性に着目して、シーフーメーカーの雄であったウィリスーオーバフンド社と、1953年に技術援助契約および販売契約を締結し、ノックダウン生産を経て完全国産化をおこなうようになった。その後、多様なタイプをそろえ、自衛隊はもちろん広く民間産業や官公庁・自治体ヘジープを供給し、1963年の生産台数は5452台にたっした。三菱におけるジープ生産は、その後の4輪乗用車や商用車生産の展開に大きな影響を与えている。また、ジープの国産化に際しては、エンジン開発にも取り組み、その後の自動車エンジン製造にも大きな影響を与えている。
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