光は、動物や人間の行動を誘発するという点で、最もプリミティブな要素といえる。イメージを生み出す表象の現場において、光の象徴性が、常に社会の諸相に対して機能的に働くことに変わりはない。しかし、情報技術の圧倒的な進展によって制御と創発の交錯が複雑化し、光と表象との関係性に新しい位相が現れていることは注目すべき変化だろう。哲学者・メディア学者のヴィレム・フルッサーによる「テクノ画像」論のなかで興味深いのは、技術的なパラダイムの変動によってテクノ画像が登場すると、それによって画像と社会の関係が変化し、異化(異境化)が起きるという論点だ。このとき画像を成立させているのは光学的環境や光学的システムであり、画像と光学の関係へと応用して読むことができる。伝統的な画像からテクノ画像へ、またさらにその先へと異化が起きる場合、帯同するその光学的環境はどのように変動するのか。ここでは、メディアアートの現在の視点から、アーティストが光に対してどのようなアプローチを行っているかを追うことで、その一端を記述していければと考える。「アーキテクチャー」というタームが、建築や設計領域のみならず、むしろ情報技術分野の思考としての活用から一般化してきた。これよってアーキテクチャーという概念は、現代の社会に内面化された情報ストラクチャーの様態を指し示すことに帰着し、それが近年の光学的環境の変動と多分に同期しているように見える。